「概念」、「光」、「重力」
人間が自ら周辺を制御する能力、すなわち地上を制しようとする能力は、自らの存在を通したあらゆる存在との絶え間ない関係の中に見いだせる
ーーーアルベルト・カンポ・バエザ
いきなりなんだって感じですが、私が今もっとも尊敬している建築家の一人の言葉です。
(あ、旦那です。)
長いこと時間が開いてしまいましたが建築家選び その2です!
もはや、美しさが無限遠点の彼方へ発散してしまっていますね。
日本の現代建築にも色濃く影響を与えている生きる伝説的な御仁です。
「概念」、「光」、「重力」。それが建築の本質であり、それ以上、それ以下でもないと彼は語ります。
建築は、「重力」によって定められた人間の視界とその周辺の間に介在し、「光」「概念(テーマ)」を使って空間をどのように定義するかによって、体感を制御できるものなのだと。
私はそう理解してます。(が合ってるかは謎です!)
私の頭の中に真っ先に浮かぶのは、京都で巡った寺の風景です。
※写真お借りしました。
庇によって光を適切にコントロールした暗い空間がもたらす静寂、作り込まれた庭、明確な境界を設けないことによる庭と屋内の一体感によって、それらはいつもとは一味違った自然の魅力を、私に感じさせてくれました。
建築に自然を取り込み一体化させ、さらにはその美しさをも拡張させるという「概念(テーマ)」を、「光」を制御することによって実現し得られた体感と言えるのではないでしょうか。
何よりも素晴らしいのは、こうした高い精神性によってもたらされる体感は、人間の心にも大きく作用する点です。
単純な機能だけではなくて、こういった体感に目を向けながら、それを家の中にどれだけ盛り込むことができるのかというのが、満足がいく家を造る上での大事な鍵になってくると、私は確信していました。
美しさに妥協しないこと
しかしながら、限られた予算の中で、どうすればそういった素晴らしい体感が得られる家を作ることができるのか。
答えはなかなか出ませんでしたが、必ず美しいと思える空間を作ろうとだけは決めていました。
どういった体感を感じられる空間であったとしても、今までに私が感動した空間には、例外なく、そこに美しさがあったからです。
新しい家は、作っても、出来た次の日にはどうせ古い家です。
新しさではなく美しさ。
20年もしたら家の価値が0になるなんて、そんな悲しい負の連鎖は断ち切らねばなりません。
資本主義の傀儡になぞ絶対になるものか!!
時を経ても美しくあり続ける、タイムレスな家を目指そうと心に誓ったのでした。
次こそは建築家候補まで書きたい!
続きます。
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今回は「我が家のキッチンの革命児」(タイトルダサい…)をお届けする予定でしたが、
主人の記事が一つできたということで先に載せました。
「建築家選び」の記事はまた不定期に載せていきますね。