さて、前回に続き、注文住宅を建てる際に発生する費用について書いていきます。
今回は、設計事務所に支払う設計監理料についてです。
法律等で定めがあるわけではなく、個々の事務所で異なりますが、
建築費の8%から12%くらいで設定しているところ多いようです。
通常の一戸建てくらいの物件であれば、建築費はそれほど高額にはならないので、
12%あたりになるのかなと思います。
例えば、3000万円の家だと、360万円+消費税になります。
この他にも、交通費や、打ち合わせ費用(何回目以降の打ち合わせは有料の事務所も
あります。)の支払いが必要になってくることもあるでしょう。
お金のことはグレーな部分を残しておくと後で必ずトラブルの元になりますので、積極的に聞いてみてください。
支払いのタイミングは、これも事務所で違いますが、何回かに分けて
支払う場合が多いと思います。
諸費用ですので、住宅ローンの中には組み込めないことがあるかもしれません。
これも手元に資金があるのが一番いいですね・・・。
しかし、設計監理料360万円!これを高いとみるか安いとみるか・・・。
あくまで私の知っている範囲での話ですが、設計料のパーセンテージは、
有名な建築家でも無名の建築家でも、それほど変わらないようです。
現に我が家はかなり有名な建築家の方にお願いしましたが、
変わりませんでした!
ハウスメーカーだと、建築費と設計料はセットで請求がくるので、内訳はよくわからなくなってしまいますが、
設計事務所に頼むと、工務店とは請求が別になってしまうのでどうしても高く感じられてしまうかもしれません。
最終的にどちらが安いのか?
ハウスメーカーの場合は、営業にかかったお金だとか、マージンなどが上乗せされてたりするので高いというという話も聞きますが、
逆にそう言った費用がかからない設計事務所が安いのかと言われると決してそういうわけでもなく、実際には、フルオーダーによる人件費の増加、設計・建築の長期化、工務店との関係性の問題などによって結果的に高くなってしまうということも往々にしてあります。(まさにうちがそうです笑)
なので、それぞれが語るメリット・デメリットについては、ポジショントークだと割り切ってあまり信用せず、冷めた目で見ておくのを強くお勧めします!
最も安いのは、規格化された製品で固めた大工さんが一人で建てられるような家です。
見えないように隠されていることがほとんどですが、費用の内訳でもっと高い割合を占めるのは人件費のため、安く仕上げるにはその人件費をどうやって抑制するのかが1番のキモになってきます。
ハウスメーカーの方が家を安価に仕上げるための工程監理やサプライチェーンの最適化が進んでいるため、納期・トータル費用のコントロールがしやすいという点で、最も有利になるかもしれません。
逆に最も高い家は、あらゆる工程にその専門家が投入され、高い素材やオーダー品で固めたような家です。
『安くて良い家が欲しい』
これは程度差こそあれ、誰しもが抱く願いだと思いますが、予算というものが存在する注文住宅造りにおいては、全ての願いを叶えるというのは現実的に難しく、
つまるところ、
『予算の範囲内で実現可能な、そこに住む人が最も納得がいく最良の妥協点にどれだけ近付けるか?』
それがそのまま満足度に繋がります。
まずは自分たちにとっての良い家の定義と予算を明確にしてみましょう。
デザイン、お金、納期、立地、etc...。
もしかしたら、家を買わないという選択肢が出てくることもあるかもしれません(笑)
お願いする建築家が、自分たちにとっての最良の妥協点を見つけてくれるのかどうか?それが設計監理料を支払う価値があるかないかなのだと思います。
気に入った建築家がいるのであれば、まずは話を聞きにいきましょう!
費用の話もがっつり聞いてしまいましょう!
例えば、過去の作品で良いと思う物件があったとしても
- 予算的に実現が難しい
- その作品を担当した人が既に辞めている
などの想定外の話を聞かされることもあったり…。そこで、減築してでもデザインを優先するのか、建築家自体を変えるのか。
家を建てようと決めたモチベーションが高い時期は、どうしても希望的観測をしがちで楽観的になりすぎたり、視野が狭くなりがちです。建築家たちとのディスカッションの場を多く持つことで自分たちの優先順位を明確にしていきながら、価値観も最も共有できる信頼できる建築家(ハウスメーカー含む)を探してください。(そこが一番難しいのですが…。)この辺についてはまた別の記事にて。
さてさて、前回と今回で、早くも700万円くらいかかっていますね・・・。
まだまだお金はかかりますよ!
次回は、「注文住宅のお金事情 その3〜建築中の土地のローン&家賃〜」です!