家を建てる前からずっと、写真映えする家に住みたいと思っていた。
だが、この家はなにやら手強い。
雑に撮るという事を決して許してくれない。
なにか思い描いていたのとは違うことになっている(苦
しかしながら、ハマるときはハマる。
白い背景は主題を否応無く浮き立たせる。構図やパース、光の捉え方や色まで意識して、しっかり撮る。そうすれば、ちゃんと応えてくれる。周りの雰囲気が誤魔化してくれるなんてことを期待してはいけない。そんな家だ。
昔は、家がかっこよくないんだから、いい写真なんて撮れるわけがないと言い訳をしていたが、目の前に良い光景があるのにも関わらず、それをそのまま撮れない現実に、自分の腕の無さを突き付けられる形となってしまった。
家ではなく写真そのものが手強いのだ。
家が写真のイロハを教えてくれているようだ。
引き出しのひとつすら簡単には撮らせてくれない。
そんなことに気付けたのも、建築家がじっくり向き合って撮りたいと思わせるほどのディテールを注ぎ込んでくれたお陰だ。
感謝しよう。